実際には、有機反応論で主張されるように全電子密度によって反応部位が決まる反応と、フロンティア軌道の密度によって反応部位が決まる反応がある。前者は電荷支配の反応、後者は軌道支配の反応と呼ばれる。 また、電子環状反応、環化付加反応、シグマトロピー転位といったペリ環状反� -~'ii庄司化学温故知新 写真1福井謙博士(1918-1998) ラ丘井謙博士が1952年に発表し,1981 年ノーベ iuiル化学賞iこ輝いたフロンティア軌道理論, この homo-lu moの概念はどのように成立し,また現在の 化学にどのような影響を与えているだろうか.  (省略) ■ 混成軌道のエネルギーと電気陰性度の関係 [2] ------------------------------------------------------------------------------ ■ Woodward-Hoffmann則 [1]  この反応では、求核剤が脱離基をもつ化合物を攻撃して置換反応を起こす。 ��c+]EESqG��1#�x�D�v�?p�ç 3) 安定化が最大になるのは電子が2個関与する(c)の場合である  この酸性度の順序は不思議である。しかし、同一周期では原子番号の増大とともに電気陰性度(σ電子求引性)が大きくなって結合のイオン性が増大するので、水溶液中でイオン解離しやすくなると同時に、共役塩基が安定化するためこの順序になると考えられる。  同じ周期の元素では、HAの酸性はAの原子番号が大きいほど強くなる(pKaは小さくなる)。  一般に化合物の酸性度は、1気圧298 K、水溶液中での酸解離定数Kaの常用対数の符号を変えた量である酸解離定数pKaで表される。水溶液中では、溶媒和を無視すると、酸AHは、次の式に示すようなプロトン解離平衡にあると考えられる。  ハロゲン化アルキルの反応性は、駆動力のσCH-σ*CX相互作用を数え上げれば容易に理解できる。つまり、σ*CBrと同時によく重なることのできるσCHは、第一級では一つ、第二級では二つ、第三級では三つである。 ※ シモンズ-スミス反応剤は電子受容体として働くため、LUMOが重要 4) 誘電率の高い溶媒によく溶けてイオンに分かれる  溶媒はプロトン性溶媒(H2O, ROHなど)が有効で、中間に生成するカルボカチオンと脱離基のアニオンをともに安定化させる(SN2反応では、プロトン性溶媒は不適当)。  共役塩基のHOMO(n)のエネルギー: R3C- > R2N- > RO- > F- 1) A-H結合の解離エネルギーの大きさは、周囲(プトロンの近傍)にσ電子求引基(electron-widthdrawing group)があるとA-H結合の電子がAに引っ張られて弱まり、A-H結合はイオン開裂しやすくなり酸性度が強くなる。逆にAがσ電子供与性であればA-H結合は強くなる。この効果は結合を通じて伝わる効果であり、誘起効果(induction effect)とも呼ばれる 2) CH4 < NH3 < H2O < HFの順に酸性度が増大。この順に結合エネルギーは大きくなるので(C-H(439)→N-H(453)→O-H(498)→H-F(569); 単位: kJ/mol) 以上はほとんどすべての基本的な化学現象の起源に関係する非常に重要な結論である。軌道間の相互作用は表面分子軌道、特にフロンティア軌道において最大となる。表面分子軌道とは分子をファンデルワールス半径の大きさをもつ原子の集合体として表したときの表面(ファンデルワールス面)付近に張り出したMOである。分子構造の支配因子を考慮するときにも軌道相互作用モデルは有効である。化学結合の成り立ちと強さ、分子の熱力学的安定性、分子構造、酸と塩基の強さ、化学反応性など分子の基本的性質は表面分子軌道の相互作用に支配されている。  CT相互作用は、配位結合、超共役、アンチペリプラナー効果(超共役の一種)、π錯体の形成、水素結合、化学反応の初期状態など、分子の世界で普遍的にはたらく安定化相互作用であり、電子の非局在化機構の一種として非常に重要な役割を果たしている。 1) σ電子効果; 極性効果(polar effect)による電子供与効果(酸性度の低下) ベンゼン (benzene) は分子式 C6H6、分子量 78.11 の最も単純な芳香族炭化水素である。原油に含まれており、石油化学における基礎的化合物の一つである。 ◇ 有機リン反応剤  ※ s性: 混成軌道におけるs軌道の割合をいう。たとえば、sp3混成軌道はs軌道とp軌道が1:3の比で混ざったものなので、s性は25%である。s性が高いほど、混成軌道のエネルギーは低い。したがって、酸性度が上がる。  ゴーシュ効果はポリマーのらせん構造の起源である。生体分子にはN, Oなどの多数のヘテロ原子が含まれており、ゴーシュ効果が強く作用して、らせん構造をとる場合が多い。ゴーシュ体とアンチ体のエネルギー差はさほど大きくなく、回転障壁もブタンやエタン程度と考えられるので、タンパク質分子の構造がらせん構造からシート構造(アンチ配座だけで成り立つ)へ簡単に変化することもうなずける。 5) 不安定化が起こるのは関与する電子数が4個である場合だけである  第2周期: CH3- > NH2- > HO- > F- (酸性度の順序: CH4 < NH3 < H2O < HF)  エタノールのCH3基では、H原子の軌道のほうが高いエネルギーをもつので結合電子対はC側に偏る(Hδ+ - Cδ-)。この部分電荷はC-C結合に逆の極性(H3Cδ+ - CCH2δ-)を誘起し、共役塩基CH3CH2O-のHOMO(主成分nO)のエネルギーを下げる。 (省略)  AH + H2O ←→ A- + H3O+ ◇ 最大ハードネスの原理 ディールス・アルダー反応 は多くの場合オルトパラ配向ですが、ジエンおよびジエノフィルの両方に電子供与性基を有する場合、メタ配向になる場合があります。両方を説明できる理論として、フロンティア軌道法があります。 ■ 軌道相互作用における電子の役割 [1] 長さ: 単結合(エタン) > 二重結合(エチレン) > 三重結合(アセチレン)  これらの三つの傾向は、結合距離の長さで反応性の傾向が判断できるという分子構造と化学反応性との関係を示している点で非常に興味深い。実際、高周期元素の化学結合は距離が長いので結合が弱く、低周期元素の結合と比較して、相対的に化学反応性に富む傾向がある。このように、分子構造と化学反応性には深い関係がある。視点を変えて言えば、その分子の化学反応性の情報は分子構造n書き込まれているということである。  安定化エネルギーは通常の共有結合と比べるとかなり弱い。強いものでも通常の共有結合の半分程度、π型錯体ではたかだか数kJ/mol程度の弱いものである。 ■ 共有結合ではなくイオン結合になる理由 [2]  共役塩基の安定性; R3C- < R2N- < RO- < F- 1) 共有結合とは逆に方向性がなく多方向性である  A + B: → A-B  HOMO(n)のエネルギー: HF < H2O < H3N  各元素に固有の原子軌道関数(基底関数)を用いて分子積分をすべて精密に計算する。3-21G*, 6-31G(d), 6-311+G**基底など、それぞれの原子に特別に開発された高精度のガウス型基底(GTO)を用いる。安定構造、エネルギー準位など定量性に非常に優れており、精度高く実験データを再現できる。最先端の研究はこれらの基底関数を用いて行われる。電子相間(電子間の相互認識)を考慮するもの(MP2法など)と考慮しないもの(Hartree-Fock法: HF法)の2つの方法に分けられる。 1) 気相酸性度が小さいほうが酸性度が大きい(解離しやすい) ■ 電荷移動相互作用とフロンティア軌道 [1] 3) A-が安定になるほどAHは酸として強くなるので、A-における超共役効果(anionic hyperconjugation)も酸強度に影響する重要な要因である。電子求引基のLUMOは低いのでAのLUMOが低いほど超共役効果が強くなり、酸としては強くなると予想される。 ペリ環状反応は1960年代半ばにR.B.WoodwardとR.Hoffmanによって分子軌道の対称性を用い、この特異性を説明し、また、福井謙一はフロンティア軌道論によって説明した。これによって、Hoffman、福井はノーベル賞を受賞している(1981)。 ------------------------------------------------------------------------------ なお,Wassermanの 著書40)および文献41)をも参照され たい。ジエン成分には電子供与基があると,ま た親ジ …  一般に官能基の電子効果はpKaを用いて議論されている。しかし、酸性度に基づく官能基の電子効果は、本来、エンタルピー変化ΔHをもとに考察しなければならない。溶媒和というエントロピーに由来する余計な因子のない条件で議論しなければ意味がないのである。  たとえば、π2s+π2sの軌道相互作用機構で進行する反応は熱禁制で光許容(q = 2)、π2s+π2aの軌道相互作用機構で進行する反応は熱許容で光禁制となる(p = 1)。また、π2s+π2s+π2sでは熱許容・光禁制である(p = 3)。  ② 化学結合や水素結合が形成されると被占軌道どうしの交換反発が必ず生じるが、この反発に抗して化学結合や水素結合が形成されている 1) 最も単純な還元剤は水素分子H2である。この還元剤を用いたアルケンの水素化反応は金属触媒表面で起こる。この反応ではcis-アルケンが合成される  AH・・・・・・(H2O)m (※ 溶媒和した酸。溶媒和が弱い) ※ 核電荷: 原子核は中性子と陽子からなり、中性子は電荷をもたないが、陽子は+1の正電荷をもつ。原子は原子番号に等しい数の陽子をもっているので、原子番号が増えるにつれて核の正電荷は一つずつ増える。 ◇ 酸解離指数pKa ペリ環状反応の代表格と言えば[4+2]のDiels-Alder反応。反応機構も一般的な反応とは異なり、ジエン―ジエノフィルの軌道エネルギーが大きく左右し、一挙に反応が進行(協奏的、「競争」ではない)する反応 …  ここで述べる有機リン反応剤は、ウィッティッヒ反応剤ともよばれ、C-P結合をもつ有機リン化合物である。代表的なものはトリフェニルホスホニウムイリド(Ph3P+-C-R2)で、トリフェニルホスフィン(Ph3P)のP原子とカルベン(:CR2)のC原子が結合した形をしている。実際はホスホニウム塩Ph3P+-CHR2から塩基で脱プロトン化して合成される。  上記の予想を裏付ける興味深い原理がアメリカのPearsonにより報告されている。「HOMO-LUMO間のエネルギー差が大きいほど分子は安定になる」という分子の熱力学的安定性に関する経験則である。理論的に完全に証明されているわけではなく例外もあるが、通常の分子の配座異性体間では、ほとんど例外なく成立することが経験的に知られている(構造が大きく異なる異性体の間では成立しない場合がある)。(省略)分子内の電子の非局在化は主にLUMOを介して起こるので、フロンティア軌道間エネルギー差ΔEが大きい分子では電子の非局在化が起こりにくい。すなわち、励起状態になりにくく、反応性も減少し速度論的にも安定ということになる。最大ハードネスの原理は分子の熱力学的安定性だけでなく化学反応性にも関係している。  [A-](H2O)n + [H3O+](H2O)x (※ 溶媒和したアニオンとプロトン。電荷があるので溶媒和が強い) フロンティア軌道論 分子aのhomo(電子が入っている一番エネルギーの高い軌道)と 分子bのlumo(電子の入っていない一番エネルギーの低い軌道)の 位相が重なれば(熱的な)化学反応が起こる。 (位相:波動関数の正負) 例:ディールス‐アルダー反応  BF3 + :NH3 → F3B-:N+H3  そのため軌道間相互作用が小さくなり分子軌道が形成されにくい。(省略) ④ 混成効果 ・ 同じ族の原子では、原子番号が大きいほど電気陰性度は小さい 概要環化付加反応の代表。諸々の共役ジエンと親ジエンからシクロヘキセン骨格が得られる反応である。一般に良好な立体選択的・位置選択的にて進む。環状化合物、特に6員炭素環の合成戦略ではほぼFirst Choiceとして用いられる。 「ディールス・アルダー反応」。富士フイルム和光純薬株式会社は、試験研究用試薬・抗体の製造販売および各種受託サービスを行っています。先端技術の研究から、ライフサイエンス関連、有機合成用や環境測定用試薬まで、幅広い分野で多種多様なニーズに応えています。 ※ 有機金属反応剤は強い求核剤であり、HOMOが重要 5) 酸素塩基の強さ; H2O < ROH ≒ RCOOH < RCOOR' ≒ R2C = O < R2O  この反応剤は強い求核剤でもあり、カルボニル基などの求電子的なC原子とC-C結合を形成するので、有機分子の炭素骨格を構築するのに非常に有用である。また、強い塩基でもあり、カルボン酸、アルコール、アミンからプロトンを引き抜く。 Claisen 転位 [2,3] シグマトロピー転位. [s8M�6���S熉����N��'���n�&�+ރ�Ly�e�m��8�+��� �����Ԇ��~g�p&UA�����':����Zc���~�-u�B�VgX�ms�SJi���@��|c�u�8?p�90 >�5:��TJ{w5GX�Z���V^��[��vI��V�����R��=o��J��K�Yj��@�_�1/�  この着色は、フロンティア軌道間の相互作用が大きいために生じると考えられている。一般に、π電子系のCT相互作用により、弱い電荷移動吸収(CT absorption)が紫外可視光領域の長波長側に現れる。これは、ドナー(D)のHOMOからアクセプター(A)のLUMOへの電子遷移(CT遷移)による吸収であり、CT相互作用の結果現れる新たな吸収帯である。その結果、CT錯体が形成されると長波長側に新しい吸収帯が現れ着色する。  n軌道のs性(混成): 25% (sp3) < 33% (sp2) < 50% (sp) 2) 分極率(polarizability)による酸性度の強化 ------------------------------------------------------------------------------ ------------------------------------------------------------------------------ 2) A-H結合がイオン的であり、水溶媒の大きな極性の影響を受けやすいこと  興味深いことに、結合に与る混成軌道のエネルギーは、上の電気陰性度の傾向とよく相関している。混成軌道のエネルギーが低くなると電気陰性度は大きくなる。結合性軌道はエネルギーの低い混成軌道が主成分になり、結合電子対は当該原子に引き寄せられる。エネルギーの低い混成軌道をもつ原子の電気陰性度は大きいことになる。  pKa = (1/2.303R)*(ΔH/T - ΔS) ------------------------------------------------------------------------------  この極性効果は、誘起効果とも呼ばれ、σ結合を通じて電子供与性を示す。 強さ: C(sp3)-H < C(sp2)-H < C(sp)-H ※ 軌道エネルギーの序列は、σ < π < n。有機リン反応剤は、C原子上の負電荷のためHOMOエネルギーが高い。したがって、炭素求核剤(電子供与体)として働く 1) 長い結合距離をもつ化合物のhOMOの準位は高い傾向がある  しかし、メトキシ基のnO軌道はC=Cのπ結合やベンゼンのHOMOよりエネルギーが低いが、メトキシ基のほうが反応を促進する。これはnO軌道のほうがσ*CXとの重なりが大きいためと考えられる。 2) 同一周期では原子番号の増加とともに酸性度が増す(電気陰性度の増大によるσ電子求引性の増大) ------------------------------------------------------------------------------  π結合では隣接結合のπとπ*軌道のエネルギー差が小さく、π-π*相互作用が強くなって電子の非局在化の効果を覆い隠す。 ◇ 共有結合の強度に影響するほかの因子 ・ 密度汎関数法(density functional theoretical method: DFT法) (7) Diels-Alder反 応における構造と反応性 359 活性化パラメーターの代表的なものを表7に 示す. Kurt Alder (1902~1958) クルト・アルダー. 5) HCN < HNO2 < H3PO4 < HNO3 < H2SO4の順に酸性度が上がる �WX�����u5B���7`$E�6P�O�*s֘��&/i���. 5) カルボニル基やシアノ基(-C≡N)は電子求引性  H+ + :NH3 → NH4+ :��({��2�������|�K�-��j��b������P���F�% ���鎎�@a8y��P6BP{U��\!&�]B�H��y�$�l Diels-Alder 反応 Otto Paul Hermann Diels (1876~1954) オットー・ポール・ヘルマン・ディールス. 1) 酸AHが不安定であること(A-H結合が弱いこと) �p� -���3�ک0��T] ����jZe�%@�:)/۫��=�6յ�A�D\�Qy�����7vK�9��g3���d*�(�� �"ڊkV9��@�8M*^+v\��[���^�&͍�ɔo����nLL�v#��8�x/��O�*"M`�����30�{��'�O���5OX�GԨ^�Iʴ~9s�)�|����y��g��'פ~�p�ʘ.�E�NGb�&C*B"�s^p˘^���? この反応の機構はフロンティア軌道 理論 ... これはこの反応の逆だから、レトロディールス・アルダー反応という。 参考文献 .  ΔG = - RT ln (Ka) = 2.303 RT(pKa) = ΔH - TΔS 強さ: 単結合(エタン) < 二重結合(エチレン) < 三重結合(アセチレン) ■ SN1反応 -分子内反応- [2]  A-H結合の強度が小さくなるとフロンティア軌道のエネルギー差が小さくなり、HOMOが高く、LUMOが低くなる傾向が見られた。結合距離が長い結合は一般に弱いから、フロンティア分子軌道と結合距離について同様の相関が見られるはずである。 1,3-双極子の付加環化反応.  反応性: RF << RCl < RBr < RI の三つの条件が必要である。A-H結合が弱くイオン的で、共役アニオンA-が安定であればAHは水中で酸として強くなる。 3) 同族元素の酸を比較すると、高周期になるほど酸性が強くなる  アルケンのヒドロホウ素化に無機ホウ素反応剤のボランBH3が用いられる。また、クロスカップリング(鈴木-宮浦反応)には有機ホウ素反応剤RBY2が用いられる。いずれも電子受容体として働く。  極性結合の結合性軌道エネルギーの低いほうの混成軌道が大きな広がりをもつ、すなわち主成分になる。したがって、結合電子対は、エネルギーの低い軌道の原子に偏ることになる。原子はエネルギーの低い軌道をもつほど、結合電子対を引き寄せる力が強くなり、負電荷を帯びる。結合に与(あずか)る両軌道のエネルギー差が大きいほど結合の極性は大きくなる。  還元剤とは他を還元する反応剤である。還元剤には三つの種類がある。  アニオンでない求核剤もあるが、一般に求核性は劣る。しかし、正電荷のためLUMOエネルギーの低いカチオンを攻撃するには十分である。 ◇ 共有結合強度の支配因子 この解離平衡の解離定数Kaは、溶媒H2Oの量は多量にあるので一定とみなすと、次の式のように表される。  原子価殻電子対反発理論において原子まわりの電子対を数えあげる際、π結合電子対を除いた理由は、π結合性軌道は同じ原子の関与するσ結合性軌道とは反発し合わないからである。σ軌道はπ軌道の節面の上半分と下半分と反対の位相で重なるので、相殺して全体として重ならない。つまり相互作用しない。したがって、電子対の数は、π結合電子対を除いて、σ結合電子対と孤立電子対のみを数えればよい。(※ 直交したp軌道同士は重ならない) ディールス・アルダー反応 ディールス・アルダー反応 (—はんのう、 英: Diels–Alder reaction )とは、 共役ジエン に アルケン が 付加 して6員環構造を生じる 有機 化学反応 であり、 [4+2]環状付加 とも言わ …  分子AとBの2ついの分子が相互作用して分子Cが生まれる場合、安定化を生み出す軌道相互作用は互いの被占軌道(主にHOMO)と空軌道(主にLUMO)の相互作用である。(省略) ------------------------------------------------------------------------------  C-C結合生成法として、カルベン(R2C:)中間体を用いたアルケンのシクロプロパン環への変換反応がある。 ■ フロンティア軌道と分子構造 [1] ◇ 酸化剤  ハロゲン化アルキルで電子供与性軌道として働くσCH軌道を、それより高いエネルギーのnやπ軌道に置換すれば反応性が高まるはずである。実際、事実と一致する。 Diels-Alder反応では、ジエン体に電子供与基がついたもの、求ジエン体には電子求引基がついたものが用いられるようですが、これは収率を高めるためのようですが、なぜ収率をあげることができるのでしょうか?よかったら具体的なメカニズ ※ 電子対の総数 = σ結合電子対 + 孤立電子対  ・ アルキル基のサイズが大きくなると分極率が大きくなりイオン電荷が安定化される 電子環状反応. ※ 一般に、HOMO-LUMO間のエネルギー差ΔEが大きくなると、分子は熱力学的に安定になる。この傾向は最大ハードネスの原理(principle of maximum hardness; しばしばPMHと略す)とよばれており、分子の熱力学的安定性を示す重要な基本原理である。 ◇ ゴーシュ効果の例  ジハロカルベン(CX2)によるジハロシクロプロパン環は収率よく得られるが、最も単純なカルベンでもあるメチレン(:CH2)による反応ではそうはうまくいかない。この反応にはシモンズ-スミス反応剤(ICH2ZnI)が有効である。  価電子の軌道エネルギーはFのほうがCよりも低いため、C-F結合の結合性軌道の主成分はF原子の軌道となり、結合電子対はF原子にひきつけられる(Fδ- - Cδ+)。このC原子上の部分的正電荷はC原子の混成軌道のエネルギーを下げるため、F3C-CH2結合の結合電子対をF3C側に引き寄せる(F3Cδ- - CH2δ+)。このように順次隣の原子の部分的な正電荷を増やすことによって、CF3CH2O-の酸素上のアニオン中心のn0軌道、したがって、CF3CH2-のHOMOのエネルギーは下がる。 1) 酸の強さを決定する因子  上の図で示したプロセスのエネルギー変化を下の図に示す。, 2個の軌道が遠くに離れている場合の相互作用系の全エネルギーE0 = a1 + a1である。軌道が接近してくると安定化する軌道は徐々に安定化し、系全体も安定化するが、核間反発があるので、ある距離(re)で安定化は極小値(Ee)に落ち着く。それ以上接近すると急激に核間クーロン反発が大きくなり接近できなくなる。量子力学的には接近しようとする力と核間反発による斥力との間で振動現象が起こり、零点エネルギー(hν/2)と呼ばれる振動状態が生まれ、系のエネルギーはこれ以下には下がらない。この零点エネルギーがあるので実験的に観測される結合解離エネルギー(De)はこの分だけ差し引かねばならない。より正確な結合解離エネルギーは  これは共役アニオン(C5H5-)が熱力学的に安定な6π電子系(芳香族性をもつ)を形成するためである。プロペンの気相酸性度(389.8)に比べてもはるかにシクロペンタジエン(352.4)のほうが酸性度が強いのは、明らかに芳香族性のためである 2) 同族比較では、エネルギー準位が上がるほど(すなわち、高周期になるほど)、結合強度が増大する傾向を示す  有機カルシウムおよび有機バリウム反応剤のHOMOは、上の有機マグネシウム反応剤のHOMOと似ている。有機亜鉛反応のHOMOは、有機銅反応剤と比べて金属の軌道の寄与がきわめて小さい。  ビニル基よりフェニル基のHOMOのエネルギーは高いから電子供与性が強い。ビニル基のπにはp軌道由来の面以外に節面はないが、フェニル基のHOMOには一つ余分に分子面に垂直な節面がある。節面が増えるごとに軌道エネルギーは高くなるので、フェニル基のHOMOのエネルギーはより高く、電子供与性が強くなる。 ② 誘起効果 ■ 酸・塩基の強さとその支配因子 [2] ① 置換基効果 ◇ 格子エネルギーは軌道間エネルギー差に由来する ・ 非経験的分子軌道法(ab initio MO法)  ・ ハロゲン化メチルと第一級ハロゲン化メチルでは、反応はきわめて遅いか観測できない ・ 半経験的分子軌道法(semi-empirical MO法)  (CH3)3C-Br → (CH3)3C+ + Br:- ◇ 周辺環状反応における同面過程と逆面過程 ディールス・アルダー反応(—はんのう、Diels-Alder reaction)とは、共役ジエンにアルケンが付加して6員環構造を生じる有機 化学反応である。 1928年にドイツの化学者、オットー・ディールス (Otto Diels) とクルト・アルダー (Kurt Alder) によって発見された(1950年にノーベル化学賞受賞)。 1) ΔE = 0 → 完全な共有結合(結合強度 = 2Δ) ◇ シモンズ-スミス反応剤 ※ Δ*は反結合軌道と元の軌道との差、Δは結合軌道と元の軌道との差、どちらもエネルギー的に近い法の差とする ベンゼン.  酸の強さ: CH3CH3 < CH2=CH2 < HC≡CH  分子の中では電子が動き回っている。この電子の動きを非局在化(delocalization)と呼ぶ。電子の非局在化の方向が官能基の電子効果(電子求引性または電子供与性)に大きな影響を及ぼす。分子内のすべての電子が自由に動き回っているわけではない。分子表面に存在する電子だけが、ある束縛条件のもとに動き回れるのである。 ディールス・アルダー反応では,共役ジエンの電子に占有される最もエネルギーの高い分子軌道(前出の結合性π軌道,Ψ2 )の電子が,熱エネルギーを得てアルケンの分子軌道に送り込むれる。  原子間に結合電子対が増えるほど、結合は強く、かつ短くなる。 1) SN1反応 2) 2e-と2H+を与えれば還元したこと(H2を与えたこと)と同等である。電子源はアルカリ金属、プロトン源は液体アンモニアを用いて、アルキンをアルケンに還元する。この反応ではtrans-アルケンが合成される。 ◇ 気相における酸性度 以上の議論をまとめると次の2点に要約される 3) アルキル基によるA-の安定化(酸性度の強化)  ① 酸と塩基の相互作用 フロンティア軌道理論( - きどうりろん、frontier orbital theory)あるいはフロンティア電子理論( - でんしりろん)とは、フロンティア軌道と呼ばれる軌道の密度や位相によって分子の反応性が支配されていることを主張する理論。 福井謙一によって提唱された。 さて名前からだとよくわからないと思うので 超簡単にいってしまうと 以下のように ジエン体とアルケ …  共役塩基の安定性: CH3CH2- < CH2=CH- < HC≡C-  ・ LUMOが低くなり電子求引性が上昇(t-Bu > CH3CH2 > CH3) (省略)気相塩基性(GB)とプロトン親和力(PA)の間には非常にきれいな直線関係が成立する。すなわち、塩基のプロトン化反応のエントロピー変化は基質Bによらずほぼ一定である(6〜9 kcal/mol)。このことは塩基性度の議論をするとき、GB, PAの値のいずれをベースにしてもほとんどの場合、問題ないことを示唆している。  軌道対称性保存則(rules of conservation of orbital symmetry)とは、化学反応においては「相互作用系の分子軌道の対称性が、反応の全過程を通じて不変であり保存される」という法則である。1964年にR.  酸-塩基反応において、酸H-Aはプトロンを失い、共役塩基A:-には孤立電子対が残される。アニオンの孤立電子対のn軌道は、分子中で最も高いエネルギーの軌道なので非局在化して安定化しやすい。したがって、酸H-Aの共役塩基A:-の孤立電子対の安定性がHAの賛成の主因になりうる。 (省略)Woodward-Hoffmann則は、これらの過程に関与する電子数の総和nによって次のようにきわめて単純なルールに纏められている。 ◇ ゴーシュ効果の定義  酸・塩基強度の定量評価は種々の官能基の性質を考えるための基本情報である。1970年以前は主に水溶液中での実測値が用いられたが、1980年代以降は気相における酸・塩基強度が正確に測定できるようになり、官能基の電子効果が水の溶媒効果がない条件(溶媒和によるエントロピー効果のない条件)で議論できるようになった。  球対称のs軌道のほうが節面をもつp軌道より相手の原子軌道と重なりやすい。したがって、混成のs性が増えるほど〔sp3 (25%) < sp2 (33%) < sp (50%)〕、結合は強く、かつ短くなる。 6員環の化合物を合成するとき、最初に考慮するべき合成反応があります。それがペリ環状反応です。ペリ環状反応の中でも、最も有名な反応がディールス・アルダー反応です。 有機化学反応では、ルイス酸とルイス塩基が反応に関与するのが … Diels-Alder(ディールス・アルダー)反応 について解説するよ。 1.Diels-Alder反応とは 2.Diels-Alder反応起こる理由 3.立体保持 4.endo則. 2) 塩基の強さを決定する因子 ◇ 溶媒効果とエントロピーの影響 3) 長い結合のHOMO-LUMO間のエネルギー差ΔEは小さい傾向がある ◇ アルキル基の電子効果  よく用いられる有機金属反応剤は、C-M (M = LI, Mg, Cu)結合をもつ。HOMOはエネルギーが高く、ほとんどC-M結合に局在化している。また、C原子は原子軌道エネルギーが金属に比べて低い(電気陰性度が大きい)ので、σCMはC原子に偏って広がっている(結合性は極性Cδ--Mδ+をもつ)。とくにM = Li, Mgの場合に、HOMOがC-M結合のC原子にほとんど局在化している(C-M結合のM原子側の背面に広がりが認められないことから、M軌道の寄与が少ないことがわかる)。そjのためカルボカチオンのように反応する。M = Cuでは、明らかに金属のd軌道の寄与が認められ、カルボアニオン性は少ない。  この理論は、電子対で占められた軌道が相互作用すると反発を引き起こす、という理由に基づく。分子は、価電子対の間の反発が最も小さくなるように、できるだけ互いに遠ざかるような結合角をもつと最も安定な幾何構造になる。これを原子価殻電子対反発(Valence shell electron-pair repulsion: VSEPR)理論という。  HOMOのエネルギーの高さが一つの重要な因子である  反応速度: H-CH2CH2-X << CH2=CH2-CH2-X < C6H5-CH2-X << CH3O-CH2-X  有機化学の実際からみれば、有機分子は酸か塩基に分類でき、結果として酸は比較的少なく、大部分は塩基といえる。有機分子で酸としての反応性があるは、カルボン酸、スルホン酸、リン酸くらいである。それにくらべれば塩基は多く、なかでも塩基性の低いものが多い。塩基性の強いものは、有機分子というより有機金属化合物である。 ディールスアルダー反応 第9章--d電子系の電子構造 齋藤 太郎 1. d軌道の形と分裂 2. d電子軌道の理論的扱い 3. d電子の関係する現象と性質 4. x線回折による錯体の構造の決定 5. d電子のかかわる物質系の例 第10章--分子の振動 濱田嘉昭 1.  De = E0 - Ee - hν/2 = ΔE + 2Δ - hν/2 ◇ 求電子剤 Copyright (C) 2008 calculations All Rights Reserved. Diels-Alder(ディールス・アルダー)反応 について解説するよ。 1.Diels-Alder反応とは 2.Diels-Alder反応起こる理由 3.立体保持 4.endo則.  SN1反応における生成物の立体構造は、反応中間体のカルボカチオンを求核剤が攻撃する段階で決まる。したがって、カルボカチオンの形状から考える必要がある。カルボカチオンはカチオン中心のC原子のまわりに三つの結合電子対があるので、VSEPR理論から平面三角形でsp2混成をしており、空のp軌道がその平面の上下に広がっている。 3) 共役アニオンA-が水溶液中で安定であること ※ σ*CXとの重なりの最も大きいのは、メトキシ基(CH3O-)のO原子上のn軌道である。XC-OCH3の結合距離が短く、n軌道は一元氏上に広がりが局在して他の軌道と重なりやすい。ビニル基(CH2=CH-)、フェニル基(C6H5-)ではXC-CRの結合距離が長く、またπ軌道は多原子にわたって広がっているので、1点で重なるには不利である。このため、電子供与性はメトキシ基のほうが強い。  強い塩基のヒドロキシアニオン(-OH)との反応では、SN2反応を起こし、立体特異的にトランス異性体のみを与える。 2) ΔE = ∞ → 完全なイオン結合(結合強度 = ΔE)  この型の相互作用をドナー・アクセプター相互作用(donor-acceptor interaction; DA相互作用と略す)または電荷移動相互作用(charge transfer interaction; CT相互作用と略す)と言う。医かに示すような種々の化学現象において重要であり共有結合の次に強い。  イオン結合はこのような二つの理由により、軌道相互作用がほとんど不可能な原子間のみに形成される。原子軌道間の相互作用がほとんどなく(Δ≒0, Δ*≒0)、集合系の分子軌道が形成されにくいので、低い軌道の元素のほうへ電子移動が起こり、結果として、クーロン引力が作用するようになる。重要なことは、このクーロン引力の大きさは、軌道間エネルギー差ΔEの大きさに近いことである。