これらの特徴は共有結合にはない。しかし、イオン結合と共有結合には明確な境界はなく、結合に関与する2つの元素の性質によって多様性がある。分子軌道論では、この2種類の化学結合を統一的に軌道相互作用の原理で説明する。イオン結合は共有結合が形成不可能な(または困難な)元素どうしで形成される共有結合の極端な場合とみなすことができる。その特徴は化学結合形成時の軌道相互作用において次の2つに要約できる。 �����G]w�3j2��� �k7z�=���ړO��z@P�^��T-�y\�܁�9h�f�x���ρe�{b� ・ 半経験的分子軌道法(semi-empirical MO法) (省略)気相では(水相とは逆に)アルキル基のサイズが大きくなり枝分かれが増すと酸性度が増す。  ② 超共役相互作用(hyperconjugative interaction; 分子内で起こるDA相互作用)  CT相互作用は、配位結合、超共役、アンチペリプラナー効果(超共役の一種)、π錯体の形成、水素結合、化学反応の初期状態など、分子の世界で普遍的にはたらく安定化相互作用であり、電子の非局在化機構の一種として非常に重要な役割を果たしている。 電子還状反応の立体化学はフロンティア軌道論に基ずくと、ポリエンのhomoの対称性によっ て決められる。すなわち、共役ジエンの熱的閉環反応においてはy2軌道がhomoとなる。一方 で光照射時は励起が起こるため、y3軌道がhomoとなる。 2) 分極率(polarizability)による酸性度の強化  ③ カルボカチオンの安定化機構 ii フロンティア軌道と反応予測. 長さ: C(sp3)-H > C(sp2)-H > C(sp)-H ◇ 電荷移動相互作用の定義 Diels-Alder反応の掟 一、電子豊富ジエンと電子不足求ジエン体 との反応が速い(場合が多い)。 二、協奏的である。 三、ジエンはs-cis配座で反応する。 四、立体特異的である。 五、エンド則に従う(場合が多い)。 六、regio選択的になりうる。 ◇ 有機金属反応剤 (省略)Woodward-Hoffmann則は、これらの過程に関与する電子数の総和nによって次のようにきわめて単純なルールに纏められている。  De = E0 - Ee - hν/2 = ΔE + 2Δ - hν/2 [s8M�6���S熉����N��'���n�&�+ރ�Ly�e�m��8�+��� �����Ԇ��~g�p&UA�����':����Zc���~�-u�B�VgX�ms�SJi���@��|c�u�8?p�90 >�5:��TJ{w5GX�Z���V^��[��vI��V�����R��=o��J��K�Yj��@�_�1/�  CT機構で形成される化学結合は配位結合(coordinate bond)とよばれる。形成されてしまえば共有結合と同じだが、形成機構が異なる。代表的な配位結合といsて、Lewis酸(A)とLewis塩基(B)の配位結合がある。この場合、AがBの電子対に配位するので配位結合とよばれる。このような生成物はCT相互作用の結果生じる分子なので電荷移動錯体(CT錯体: charge-transfer complex)ともよばれている。 ■ 共有結合ではなくイオン結合になる理由 [2] �p� -���3�ک0��T] ����jZe�%@�:)/۫��=�6յ�A�D\�Qy�����7vK�9��g3���d*�(�� �"ڊkV9��@�8M*^+v\��[���^�&͍�ɔo����nLL�v#��8�x/��O�*"M`�����30�{��'�O���5OX�GԨ^�Iʴ~9s�)�|����y��g��'פ~�p�ʘ.�E�NGb�&C*B"�s^p˘^���? VASP+phonopy (Fe2VAl-dfpt, 2x2x2 primitive cell), VASP (sequential calculation, simple version), Ubuntu 16.04 LTS (64bit) beginners' course. 1) 酸AHが不安定であること(A-H結合が弱いこと) ------------------------------------------------------------------------------  CH3O- > C6H5O- (酸性度の順序: CH3OH < C6H5OH) ウェブチャプター24 ペリ環状反応 目 次 24.1 3種類のペリ環状反応 24.2 付加環化反応 24.2.1 Diels–Alder 反応 a [4+2]付加環化における分子軌道相互作用 b 立体化学 c 位置選択性 24.2.2 1,3–双極付加環化 24.2.3 アルケンのオゾン分解 2) 半占軌道が存在する系では相互作用して必ず安定化する ■ 代表的な反応剤のHOMO, LUMO [2] 3) A-が安定になるほどAHは酸として強くなるので、A-における超共役効果(anionic hyperconjugation)も酸強度に影響する重要な要因である。電子求引基のLUMOは低いのでAのLUMOが低いほど超共役効果が強くなり、酸としては強くなると予想される。  この理論は、電子対で占められた軌道が相互作用すると反発を引き起こす、という理由に基づく。分子は、価電子対の間の反発が最も小さくなるように、できるだけ互いに遠ざかるような結合角をもつと最も安定な幾何構造になる。これを原子価殻電子対反発(Valence shell electron-pair repulsion: VSEPR)理論という。 ペリ環状反応は1960年代半ばにR.B.WoodwardとR.Hoffmanによって分子軌道の対称性を用い、この特異性を説明し、また、福井謙一はフロンティア軌道論によって説明した。これによって、Hoffman、福井はノーベル賞を受賞している(1981)。  ・ LUMOが低くなり電子求引性が上昇(t-Bu > CH3CH2 > CH3)  この構造では、求核剤の攻撃は上下どちらの方向からも同じ確率で起こる。脱離基以外の3置換基が異なる場合、立体配置はSN2反応では反転するが、SN1反応では反転も保持も同じ確率で起こり、二つのエナンチオマーの等量混合物(ラセミ混合物)が得られる。  これは弱い結合ほdp解離しやすく、共役塩基が高周期になると安定になり(分極率が大きくなるほど電荷の安定化効果が大きい)。解離の方向に平衡が移動するため  H+ + :NH3 → NH4+ ◇ 配位結合と電荷移動錯体  これは共役アニオン(C5H5-)が熱力学的に安定な6π電子系(芳香族性をもつ)を形成するためである。プロペンの気相酸性度(389.8)に比べてもはるかにシクロペンタジエン(352.4)のほうが酸性度が強いのは、明らかに芳香族性のためである Diels-Alder 反応は,Diels とAlder が発見した(ノーベル化学賞) + 1) A-H結合の解離エネルギーの大きさは、周囲(プトロンの近傍)にσ電子求引基(electron-widthdrawing group)があるとA-H結合の電子がAに引っ張られて弱まり、A-H結合はイオン開裂しやすくなり酸性度が強くなる。逆にAがσ電子供与性であればA-H結合は強くなる。この効果は結合を通じて伝わる効果であり、誘起効果(induction effect)とも呼ばれる ◇ 溶媒効果とエントロピーの影響  ハロゲン化アルキルで電子供与性軌道として働くσCH軌道を、それより高いエネルギーのnやπ軌道に置換すれば反応性が高まるはずである。実際、事実と一致する。 /Count 0 /Resources . ◇ 共有結合強度の支配因子 フロンティア軌道論で理解する有機化学/稲垣 都士(有機化学)の目次ページです。最新情報・本の購入(ダウンロード)はhontoで。あらすじ、レビュー(感想)、書評、発売日情報など充実。書店で使えるhontoポイントも貯まる。  したがって、官能基の電子効果を厳密に議論するには、孤立分子の酸性度、すなわち、気相の酸性度を分子の絶対酸度(absolute acidity)の尺度として用いなければならない。 ※ 求電子剤は電子受容体であり、LUMOが重要。LUMOのエネルギーを下げれば求電子剤は強くなる  一般に化合物の酸性度は、1気圧298 K、水溶液中での酸解離定数Kaの常用対数の符号を変えた量である酸解離定数pKaで表される。水溶液中では、溶媒和を無視すると、酸AHは、次の式に示すようなプロトン解離平衡にあると考えられる。 3) 同族元素の酸を比較すると、高周期になるほど酸性が強くなる ◇ 周辺環状反応の許容反応と禁制反応 ペリ環状反応の代表格と言えば[4+2]のDiels-Alder反応。反応機構も一般的な反応とは異なり、ジエン―ジエノフィルの軌道エネルギーが大きく左右し、一挙に反応が進行(協奏的、「競争」ではない)する反応 …  ⑤ 水素結合  酸の強さ: R3CH < R2NH < ROH < HF ��c+]EESqG��1#�x�D�v�?p�ç 軌道の対称性と立体特異反応 4. ※ σ*CXとの重なりの最も大きいのは、メトキシ基(CH3O-)のO原子上のn軌道である。XC-OCH3の結合距離が短く、n軌道は一元氏上に広がりが局在して他の軌道と重なりやすい。ビニル基(CH2=CH-)、フェニル基(C6H5-)ではXC-CRの結合距離が長く、またπ軌道は多原子にわたって広がっているので、1点で重なるには不利である。このため、電子供与性はメトキシ基のほうが強い。  ΔG = - RT ln (Ka) = 2.303 RT(pKa) = ΔH - TΔS 5) カルボニル基やシアノ基(-C≡N)は電子求引性 (省略)気相塩基性が大きいほど塩基性が強い。 2) ΔE = ∞ → 完全なイオン結合(結合強度 = ΔE)  原子間に結合電子対が増えるほど、結合は強く、かつ短くなる。 「ディールス・アルダー反応」。富士フイルム和光純薬株式会社は、試験研究用試薬・抗体の製造販売および各種受託サービスを行っています。先端技術の研究から、ライフサイエンス関連、有機合成用や環境測定用試薬まで、幅広い分野で多種多様なニーズに応えています。 (省略) 1) 化学結合の強さの支配因子は主に原子軌道のエネルギー準位である。低い準位の軌道が関与すれば強い。重なり積分は結合強度にそれほど大きな影響を与えない  共有結合の結合性軌道に相当するイオン結合の軌道は、軌道エネルギーの低い原子に局在化している。つまり、結合性軌道に相当するエネルギーは(NaClの場合は)Cl-の孤立電子対のn(3p)軌道である。  最初に示した例でいえば、(CH3)3C-BrからBr:-が脱離する段階が分子内反応である。ここでC-Br結合が切れる。この結合には、分子内で一番エネルギーの低い原子軌道をもつBr原子があるので、このσ*CBrが最もエネルギーの低い反結合性軌道である。したがって、σCBr結合が電子受容体として働く。この軌道とよく重なる電子供与性軌道は、メチル基のσCH結合性軌道である。 1) 熱許容反応(光禁制反応)では、4q+2個(q = 0, 1, 2, 3, ...)の電子が関与する同面過程の数と4q個の電子が関与する逆面過程の数を足し合わせた数pが奇数となる  同じ周期の元素では、HAの酸性はAの原子番号が大きいほど強くなる(pKaは小さくなる)。 ■ 電荷移動相互作用とフロンティア軌道 [1]  ※ s性: 混成軌道におけるs軌道の割合をいう。たとえば、sp3混成軌道はs軌道とp軌道が1:3の比で混ざったものなので、s性は25%である。s性が高いほど、混成軌道のエネルギーは低い。したがって、酸性度が上がる。  SN1反応での電子受容体は、SN2反応と同様、C-X結合であるので、SN2反応と同じ傾向の脱離基効果を示す。ハロゲンでは以下のようになる。  結合距離が動径関数に依存することは相関を見れば明らかである。結合距離をフロンティア原子軌道の軌道半径に対してプロットすると良好な直線関係が見られる。原子半径は原子の被占原子軌道の軌道半径で決まるので当然といえば当然であるが、ここで重要なことは、結合距離が、それぞれの原子の被占原子軌道のうちエネルギー準位が最高である原子軌道の軌道半径と良好な関係を示すことである。  この極性効果は、誘起効果とも呼ばれ、σ結合を通じて電子供与性を示す。 この反応の機構はフロンティア軌道理論やウッドワード・ホフマン則によって説明される。 ◇ ホウ素反応剤 (省略)CH2=Xのπ結合のp軌道、CH3-Xのσ結合のsp3混成軌道、CH2=Xのσ結合のsp2混成軌道、こららのどの結合の混成軌道においても電気陰性度が大きくなると軌道エネルギーが下がる。(LiからFまでこれらの関係を示した図は文献[2]を参照。電気陰性度はポーリングの電気陰性度を用いている。混成軌道のエネルギーは、同じ元素なら上に示した結合の順番で、毎に約-0.2 Hartreeずつ負の側になる。混成軌道のエネルギー/電気陰性度 = 約-0.175から-0.25 Hartreeで上に示した結合の順番で傾きがより負の値になる)  また、他の軌道はすべてHOMOよりエネルギーが低いはずだから、全電子のエネルギーが低くなる可能性は高く、熱力学的にも安定化されるであろう。 一方、水分子の酸素原子は、酸AHと反応して、次の式のように、プロトンを受け取るので塩基とみなせる。  フロンティア軌道論は電子供与体のHOMOと電子受容体のLUMOの相互作用で反応が推進されるというもので、厳密にいえば分子間の反応理論である。分子内反応に適用するときには、次のように考える。 ◇ 有機リン反応剤  CH3CO2- + (CH3)3C+ → CH3CO2-C(CH3)3 したがって、解離定数Kaが大きいとpKaは小さい。  17族元素: I- < Br- < Cl- < F- (酸性度の順序: HI > HBr > HCl > HF) Kaの常用対数にマイナスを付けた値が酸解離指数pKaである。  「分子のフロンティア軌道間エネルギー差ΔEが大きいほど分子は安定になる」 「ディールス・アルダー反応」。富士フイルム和光純薬株式会社は、試験研究用試薬・抗体の製造販売および各種受託サービスを行っています。先端技術の研究から、ライフサイエンス関連、有機合成用や環境測定用試薬まで、幅広い分野で多種多様なニーズに応えています。  有機カルシウムおよび有機バリウム反応剤のHOMOは、上の有機マグネシウム反応剤のHOMOと似ている。有機亜鉛反応のHOMOは、有機銅反応剤と比べて金属の軌道の寄与がきわめて小さい。 概要環化付加反応の代表。諸々の共役ジエンと親ジエンからシクロヘキセン骨格が得られる反応である。一般に良好な立体選択的・位置選択的にて進む。環状化合物、特に6員炭素環の合成戦略ではほぼFirst Choiceとして用いられる。 ◇ 気相における酸性度  BF3 + :NH3 → F3B-:N+H3  HOMO(n)エネルギー: CH3CH2- > CH2=CH- > HC≡C- …  ※ 原子のなかの電子は、たとえ最外殻の価電子でも、核近くに存在する確率が高く、内殻の電子によって完全に遮蔽されない。そのため、原子番号が大きいと核の正電荷が増えるので、価電子の軌道エネルギーが下がる 1) この表(文献[1]を参照)では、メタンが最も酸性が弱く、硫酸が最も酸性が高い フロンティア軌道論 分子aのhomo(電子が入っている一番エネルギーの高い軌道)と 分子bのlumo(電子の入っていない一番エネルギーの低い軌道)の 位相が重なれば(熱的な)化学反応が起こる。 (位相:波動関数の正負) 例:ディールス‐アルダー反応  厳密にはpKaの解釈においては溶媒効果が無視できない。酸の強さを測定する溶媒として通常使われてる水溶液中では、次の式で示すように、酸AHは何個か(m個)の水分子で溶媒和されている。これが解離してプロトンを放出しても、生じる共役塩基A-はイオンであり電荷をもつので、AHよりも水分子によって大きく溶媒和される。ヒドロニウムイオンも溶媒和されているので解離平衡系の右の溶媒和がかなり大きくなり、平衡系のエントロピー変化(分子集団としての自由度の減少)はきわめて大きいだろうと予想される。エントロピーSの減少は自由エネルギーGの増大を招くので不利である。 Diels-Alder(ディールス・アルダー)反応 について解説するよ。 1.Diels-Alder反応とは 2.Diels-Alder反応起こる理由 3.立体保持 4.endo則. フロンティア軌道で反応性を考えてきましたが、「homoとlumoが~」と言っても、「何で?」となるでしょう。そこで、この節ではよくある疑問に答えていくことにします。 なぜ境(フロンティア)のhomoとlumoを考えるのか .  Lewis酸(A) + Lewis塩基(:B) → A:B  反応速度: CH3-X < RCH2-X (第一級) << R2CH-X (第二級) < R3C-X (第三級) (省略) 2 0 obj 1) 同周期比較では、エネルギー準位が下がるほど(すなわち、右に行くほど)、結合強度が減少する傾向を示す 2) 長い結合距離をもつ化合物のLUMOの準位は低い傾向がある 1) ΔE = 0 → 完全な共有結合(結合強度 = 2Δ) Copyright (C) 2008 calculations All Rights Reserved.  ① 2軌道4電子系の斥力の大きさはΔ*≒Δなので小さい。しかし、その集積はかなり大きな斥力になる。小さな分子ではほとんど作用しないと考えられるが、大きな分子になると集積反発力はかなり大きさになり、化学反応などで立体反発や立体障害などの原因として反応の進行を妨害する重要な役割を演じるようになる ※ 共有結合にはσ結合とπ結合の二種類がある。π軌道は位相の関係から原子と共有するσ軌道やn軌道とは重ならず、反発しないので、π結合電子対は加味しない。σ結合電子対の数は、結合する原子、または基(置換基)の数に等しい。 3) 安定化が最大になるのは電子が2個関与する(c)の場合である ◇ アルキル基の電子効果  格子エネルギーの主要な部分は、イオン間のクーロン引力(90%程度)とファンデルワールス反発(交換反発; 10%程度)である。  ④ π錯体などの分子化合物の形成と安定化機構 ------------------------------------------------------------------------------  分子の電子状態や反応の遷移状態を計算する場合には、HF法では実験データを正確に再現できないことがある。電子相間を考慮しないと実験データとの対応が悪い。密度汎関数法は結晶格子エネルギーなどのファンデルワールス力を含む原子、分子間相互作用を定量的に計算できる最先端の方法である。(※ LDAではファンデルワールス力が入っていると言われているが、PBEではファンデルワールス力は入っていないので注意) ■ フロンティア軌道と分子の安定性 [1]  価電子の軌道エネルギーはFのほうがCよりも低いため、C-F結合の結合性軌道の主成分はF原子の軌道となり、結合電子対はF原子にひきつけられる(Fδ- - Cδ+)。このC原子上の部分的正電荷はC原子の混成軌道のエネルギーを下げるため、F3C-CH2結合の結合電子対をF3C側に引き寄せる(F3Cδ- - CH2δ+)。このように順次隣の原子の部分的な正電荷を増やすことによって、CF3CH2O-の酸素上のアニオン中心のn0軌道、したがって、CF3CH2-のHOMOのエネルギーは下がる。 ◇ 格子エネルギーの実験データ  16族元素: H2O < H2S < H2Se  零点エネルギーhν/2は微小だから、化学結合の強さは近似的に結合解離エネルギーDe = ΔE + 2Δ - hν/2 ≒ ΔE + 2Δに等しいと考えてよい。すなわち、化学結合の強度は近似的に2つの変数ΔEとΔで決まる。ただし、軌道間エネルギー差ΔEが大きいと軌道相互作用による安定化量ΔEは減少するので、この2つの変数は相互に影響を与えあう。 2) 光許容反応(熱禁制反応)では、その数pが偶数となる  たとえば、水の分子(H2O)は、次の式で示すように、プロトンを放出するので酸とみなせる。 フロンティア軌道理論( - きどうりろん、frontier orbital theory)あるいはフロンティア電子理論( - でんしりろん)とは、フロンティア軌道と呼ばれる軌道の密度や位相によって分子の反応性が支配されていることを主張する理論。 福井謙一によって提唱された。 ------------------------------------------------------------------------------  一方、Lewisは、Brønsted-Lowryの酸・塩基の概念をより広くとらえ、電子対の授受に着目して酸塩基の概念を提唱した。それによると、酸は電子対を受け取るもの(電子対供与体: electron-pair acceptor)、塩基は電子対を与えるもの(電子対供与体: electron-pair donor)という定義になる。Lewis塩基Bはしばしば、電子対”:”を付けて、B:または:Bと表現される。Lewis酸・塩基の基本的な反応は、次の式に示すように、配位結合の生成である。この種の反応は、既に見てきたように、電荷移動相互作用(charge-transfer (CT) interaction)にほかならない。  有機化学の実際からみれば、有機分子は酸か塩基に分類でき、結果として酸は比較的少なく、大部分は塩基といえる。有機分子で酸としての反応性があるは、カルボン酸、スルホン酸、リン酸くらいである。それにくらべれば塩基は多く、なかでも塩基性の低いものが多い。塩基性の強いものは、有機分子というより有機金属化合物である。 ※ 求める電子剤はLUMOが重要で、そのエネルギーが低いほど反応性の富む 強さ: 単結合(エタン) < 二重結合(エチレン) < 三重結合(アセチレン)  興味深いのは、イオン結晶の格子エネルギーUは軌道間エネルギー差ΔEiに近似的に等しいことである。(省略)これらの軌道間エネルギー差の値ΔEiは格子エネルギーUにかなり近い。気体状態から結晶状態へのエネルギー変化があるとしても、エネルギー保存則を考慮すると、ΔEiがUに変換したと考えることができる。これに、ファンデルワールス反発(Uを減少)とファンデルワールス引力(Uを増大)および零点エネルギー(Uを増大)が副次的に作用したと考えられる。  原子価殻電子対反発理論において原子まわりの電子対を数えあげる際、π結合電子対を除いた理由は、π結合性軌道は同じ原子の関与するσ結合性軌道とは反発し合わないからである。σ軌道はπ軌道の節面の上半分と下半分と反対の位相で重なるので、相殺して全体として重ならない。つまり相互作用しない。したがって、電子対の数は、π結合電子対を除いて、σ結合電子対と孤立電子対のみを数えればよい。(※ 直交したp軌道同士は重ならない) 3) 分子内反応の軌道論  半占軌道をもつ化学種の代表例がラジカルである。ラジカルの反応性が高い理由の一つがここにある。ラジカルは相手が半占軌道でも被占軌道でも空軌道でもかまわず相互作用して安定になろうとするので反応性が非常に高くなっている。多くの原子は半占軌道をもつので反応性が高く分子を作る。(省略)ラジカルは被占軌道と相互作用して安定化するのでラジカルの安定性は、ラジカル中心の原子が第三級>第二級>第一級の順に低くなると予想される。半占軌道は、相互作用する被占軌道の数が多いほど安定化量が増すからである。  この酸性度の順序は不思議である。しかし、同一周期では原子番号の増大とともに電気陰性度(σ電子求引性)が大きくなって結合のイオン性が増大するので、水溶液中でイオン解離しやすくなると同時に、共役塩基が安定化するためこの順序になると考えられる。  アルケンのヒドロホウ素化に無機ホウ素反応剤のボランBH3が用いられる。また、クロスカップリング(鈴木-宮浦反応)には有機ホウ素反応剤RBY2が用いられる。いずれも電子受容体として働く。  ・ 第二級ハロゲン化アルキルの反応は遅い ・ 共役塩基A:-のHOMOのエネルギーが低いほど、HAは強い酸である ��I#�>a](��y�v�N#�����F�e`���om�:M)�� �8�LزW��N�cl�Xp�Ԁ�C�d�f�4n���H����_�E��+��{��_�fwY�!� ,[���$�įU7�6& �a�3#�u�ȟE��*��~�iX�H)�4��i�R� �I��9Ԡ�o���]��#d[CqG�". -~'ii庄司化学温故知新 写真1福井謙博士(1918-1998) ラ丘井謙博士が1952年に発表し,1981 年ノーベ iuiル化学賞iこ輝いたフロンティア軌道理論, この homo-lu moの概念はどのように成立し,また現在の 化学にどのような影響を与えているだろうか. ◇ 酸解離指数pKa 2) 非共有電子対が結合の大きさに大きな影響を与える。交換反発で結合は弱くなるが、非共有電子対の超共役が作用すると結合は強化される。  ((b)は分子Aの軌道には0個の電子、分子Bの軌道には2個の電子があり、それらの軌道が結合と反結合軌道を作り、結合軌道に電子が2個入る場合に該当する) 8) カルボン酸(ハロゲンの効果がpKaの傾向と逆: LUMO準位が影響している)  アルキル基の電子雲は負電荷の近傍に接近すると空間を通じて直接負電荷を中和して安定化する性質を示す。これが分極率効果(電場効果)と呼ばれる効果で、共役塩基A-を安定化するので酸の強化に寄与する。アルキル基が大きくなると負電荷のごく近くに分子内の一部の原子が接近できるようになるのでA-が効果的に安定化し、AHの酸性度が強くなる。一般にAの原子団のサイズが大きくなるとこの効果が増大する。したがって、アルキル基が大きくなるとこの効果によって、アルキル基は電子求引性を示すことになる。  これらの変換反応は立体特異的に起こり、熱反応と光反応で生成物の立体化学が異なることがわかり、不思議な現象として有機化学者の頭を悩ませていた。  溶媒はプロトン性溶媒(H2O, ROHなど)が有効で、中間に生成するカルボカチオンと脱離基のアニオンをともに安定化させる(SN2反応では、プロトン性溶媒は不適当)。 1) 一般に、N, O, Sの非共有電子対の塩基性を比較すると、Nの非共有電子対が最も塩基性が強い  この場合にのみ、系に斥力が作用して相互作用系に反発力が生じて系が崩壊する。これを交換反発(exchange replusion)またはパウリ斥力(Pauli repulsion)という。またファンデルワールス斥力も同じ斥力を意味する。有機化学ではこの斥力を立体反発とよんでいる。この斥力は以下のような特徴をもつ。 ディールス・アルダー反応 は多くの場合オルトパラ配向ですが、ジエンおよびジエノフィルの両方に電子供与性基を有する場合、メタ配向になる場合があります。両方を説明できる理論として、フロンティア軌道法があります。 Diels-Alder 反応 Otto Paul Hermann Diels (1876~1954) オットー・ポール・ヘルマン・ディールス. (省略)周期表上では、共有結合性がきわめて強いCH4とPH3を例外として、次の傾向が読み取れる。 この解離平衡の解離定数Kaは、溶媒H2Oの量は多量にあるので一定とみなすと、次の式のように表される。  C-C結合生成法として、カルベン(R2C:)中間体を用いたアルケンのシクロプロパン環への変換反応がある。  ここで述べる有機リン反応剤は、ウィッティッヒ反応剤ともよばれ、C-P結合をもつ有機リン化合物である。代表的なものはトリフェニルホスホニウムイリド(Ph3P+-C-R2)で、トリフェニルホスフィン(Ph3P)のP原子とカルベン(:CR2)のC原子が結合した形をしている。実際はホスホニウム塩Ph3P+-CHR2から塩基で脱プロトン化して合成される。 1) 長い結合距離をもつ化合物のhOMOの準位は高い傾向がある  実験的には、分子(ラジカルなどの反応性中間体を含む)の任意の単結合R-Xが均等開裂するときのエンタルピー変化が結合解離エネルギーDe(R-X)である。 3) A-H結合が弱くなると塩基性が弱くなる(GB; NH3 > PH3 > AsH3) 3) 共役アニオンA-が水溶液中で安定であること  [A-](H2O)n + [H3O+](H2O)x (※ 溶媒和したアニオンとプロトン。電荷があるので溶媒和が強い) 10) スルホンはスルホキシドより酸性が強い ■ SN1反応 -分子内反応- [2]  酢酸(CH3CO2H)(pKa = 4.8)は、エタノール(CH3CH2OH)(pKa = 16)より強い酸である。それは、共役塩基(CH3CO2-)において、アニオン中心のnO(pO)とカルボニル基のπ*C=Oが相互作用して、孤立電子対がカルボニル基に非局在化して安定化するからである。すなわち、共役塩基のHOMOのエネルギーが下がって酢酸の酸性度が上がる。 ※ 電気陰性度は”目安”であって、「物理定数」ではないことを心に留める必要がある。 2) 同一周期では原子番号の増加とともに酸性度が増す(電気陰性度の増大によるσ電子求引性の増大) 有名な有機反応のひとつに、Diels-Alder(ディールス・アルダー)反応というものがあります。 これは、共役ジエンにアルケンが付加して不飽和 6 員環構造を形成する、[4+2]付加環化反応です。 ベンゼン. ◇ 求電子剤 ■ Woodward-Hoffmann則 [1] ディールス・アルダー反応では,共役ジエンの電子に占有される最もエネルギーの高い分子軌道(前出の結合性π軌道,Ψ2 )の電子が,熱エネルギーを得てアルケンの分子軌道に送り込むれる。 9) シクロペンタジエン(352.4)は炭化水素酸としては異常に酸性度が高い 2) 固体では電気伝導性はないが溶融すると電気を通す  配位結合のように明らかな原子間結合が形成されるわけではないが、分子間のCT相互作用による安定化で生じる電荷移動錯体もある。π電子系が関与する例が多く、もとの分子は無色でも錯体は着色している場合が多い。ベンゼンにヨウ素を少量入れると青色を呈する。ベンゼンがπ供与体となりヨウ素がπ受容体となってCT相互作用が起こった結果、弱い電荷移動錯体が形成されて長波長側に光吸収が起こる。 ■ 化学結合の形成機構 ◇ イオン結合の特徴  A:-のHOMO(主成分はn)のエネルギーが下がれば、電子供与体A:-の反応性は落ち、プロトンを受容する逆反応が遅くなって、A:-(したがって、H3O+)の濃度が高くなる。すなわち、共役塩基A:-は速度論的に安定化される。 1) 共有結合とは逆に方向性がなく多方向性である  この効果も、見かけ上、アルキル基の電子求引性(酸強度の亢進)を引き起こす。共役塩基A-が分子内超共役によって安定化されて酸解離が容易になる効果である。アルキル基のサイズが大きくなると、アルカンの場合と同様に、共役塩基A-のLUMOが低下するため、A-の被占軌道との電荷移動相後作用(CT相互作用)が大きくなり安定化が増す。したがって、大きなアルキル基はA-に対して電子求引性を示し、A-を安定化するので酸強度の増大に寄与する。 ※ 一般に、HOMO-LUMO間のエネルギー差ΔEが大きくなると、分子は熱力学的に安定になる。この傾向は最大ハードネスの原理(principle of maximum hardness; しばしばPMHと略す)とよばれており、分子の熱力学的安定性を示す重要な基本原理である。 (例)  ・ ハロゲン化メチルと第一級ハロゲン化メチルでは、反応はきわめて遅いか観測できない  R-X → R・ + ・X 4) 次に安定化が大きいのは電子が2個関与する(b)の場合である  一般に官能基の電子効果はpKaを用いて議論されている。しかし、酸性度に基づく官能基の電子効果は、本来、エンタルピー変化ΔHをもとに考察しなければならない。溶媒和というエントロピーに由来する余計な因子のない条件で議論しなければ意味がないのである。 :W0�%��c�.P�7�1~Z�fOPü��B�aA�g�-8������������5@�^�����ȫ�: ��U��:����e}�g; EJ"����  ・ アルキル基のサイズが大きくなると分極率が大きくなりイオン電荷が安定化される  A + B: → A-B ウィキメディア・コモンズには、 ディールス・アルダー反応 に関連するカテゴリがあります。 [脚注の使い方] ^ Ose, T. et al. ------------------------------------------------------------------------------ ※ 塩基はプロトン受容体である  還元剤とは他を還元する反応剤である。還元剤には三つの種類がある。  外殻の電子でも原子核近傍に存在する確率があり、核の正電荷は内殻の電子で完全に遮蔽されないので、核電荷が増えればそれだけ正電荷に強く引きつけられ、原子軌道のエネルギーは低くなる。すなわち、CよりOやFの軌道エネルギーは低い。OやFの原子上で結合性軌道の広がりは大きく、結合電子対の電子密度は高くなるので負電荷を帯びる。 以上をまとめると、次のようになる。  pKa = -log (Ka) 2) CH4 < NH3 < H2O < HFの順に酸性度が増大。この順に結合エネルギーは大きくなるので(C-H(439)→N-H(453)→O-H(498)→H-F(569); 単位: kJ/mol) 1964年に福井博士はディールス-アルダー反応において フロンティア軌道の対称性が決定的な役割を果たすことを 見いだした 1, 2)。フロンティア電子密度論から軌道論への 転換点である。 エチレンのlumoはp軌道が逆位相で重なってできる ■ フロンティア軌道と分子構造 [1] ※ ポーリングの電気陰性度: H 2.1, B 2.0, P 2.1 2) A-H結合がイオン的であり、水溶媒の大きな極性の影響を受けやすいこと  しかし、メトキシ基のnO軌道はC=Cのπ結合やベンゼンのHOMOよりエネルギーが低いが、メトキシ基のほうが反応を促進する。これはnO軌道のほうがσ*CXとの重なりが大きいためと考えられる。  エタノールのCH3基では、H原子の軌道のほうが高いエネルギーをもつので結合電子対はC側に偏る(Hδ+ - Cδ-)。この部分電荷はC-C結合に逆の極性(H3Cδ+ - CCH2δ-)を誘起し、共役塩基CH3CH2O-のHOMO(主成分nO)のエネルギーを下げる。 1) 右上に行くほど強くなる  共役塩基のHOMO(n)のエネルギー: R3C- > R2N- > RO- > F- 3) 長い結合のHOMO-LUMO間のエネルギー差ΔEは小さい傾向がある 1) σ電子効果; 極性効果(polar effect)による電子供与効果(酸性度の低下)  酸の強さ: CH3CH3 < CH2=CH2 < HC≡CH (7) Diels-Alder反 応における構造と反応性 359 活性化パラメーターの代表的なものを表7に 示す.  2,2,2-トリフルオロエタノール(CF3CH2OH)(pKa = 12.4)はエタノール(CH3CH2OH)(pKa = 16)より強い酸である。 2) 左下に行くほど補枠なる ① 置換基効果 1,3-双極子の付加環化反応. ■ 酸・塩基の強さとその支配因子 [2] ② 誘起効果 ------------------------------------------------------------------------------  H-Aの酸性度は、A:-のアニオンの孤立電子対の混成n軌道のs性が大きいほど高くなる。2s軌道は2p軌道よりエネルギーが低いから、共役塩基のHOMOのエネルギーが下がり、酸性度が上がる。まとめると、次のようになる。 ◇ 周辺環状反応における同面過程と逆面過程 ◇ 電荷移動相互作用の特徴 ・ 最もエネルギーの高い結合性軌道(π, σ)あるいは非結合性軌道(n)と、最もエネルギーの低い反結合性軌道(π*, σ*)あるいは空のp軌道とが重なるように分子内反応は起こる ③ 多中心反応(協奏反応)→ 電子軌道の重なりが関与 Woodward-Hoffman 則(軌道の対称性保存) フロンティア軌道理論 (福井謙一,1981年ノーベル化学賞) ... 院で。 有機化学III 2006 本日のメニュー ① Diels-Alder (ディールス-アルダー)反応  求電子剤は、電子豊富な原子を求めて攻撃する反応剤である。軌道論からいえば、HOMOの広がりの大きい原子を攻撃しやすい反応剤である。すなわち、エネルギーの低いLUMOをもち、そのLUMOができるだけ局在化した分子である。 ディールス・アルダー反応 ディールス・アルダー反応 (—はんのう、 英: Diels–Alder reaction )とは、 共役ジエン に アルケン が 付加 して6員環構造を生じる 有機 化学反応 であり、 [4+2]環状付加 とも言わ … 軌道の対称性と立体特異反応 4. 3) ヒドリドH-とH+を加えるのも還元である。H-源となるものは金属水素化合物である。 ・ 結合に与る原子の(混成)軌道エネルギーは、同じ周期では原子番号が大きくなるほど低くなる  共有結合(電子を共有してできる結合)とは対照的に原子間で互いに電子を共有せずに形成される結合もある。一方の原子から他方の原子へ電子が移ると、どちらの原子も電荷をもったイオンになる。正に帯電したイオンをカチオンとよび、負に帯電したイオンをアニオンというが、これらのカチオンとアニオンの間に静電引力が働いて、結合ができる。このような静電引力による結合をイオン結合という。(省略)共有結合ではなくイオン結合になるのは、価電子の軌道エネルギーに大きな差があって軌道どうしが相互作用できないからである。一般にイオン結合をつくるカチオンは金属元素で、価電子の軌道エネルギーが高い。一方、相手のアニオンは非金属元素で軌道エネルギーが低い。軌道相互作用を通して重なり領域に電子をためて共有するより、エネルギーの高い軌道から低い軌道に電子対を移して安定化し、さらにカチオンとアニオンの静電引力によって安定化するほうがエネルギー的に有利になる。 ・ 密度汎関数法(density functional theoretical method: DFT法) 10章 フロンティア軌道論とウッドワード・ホフマン(wh)則 10.1 フロンティア軌道論とペリ環状反応に対するwh則 10.2 電子環状反応 10.3 付加環化反応 10.4 [4π+2π]付加のディールス・アルダー(da)反応 演習問題. <>stream  問題は、pKaが298 Kでの酸解離平衡の自由エネルギー変化ΔGに比例することである。次の式に示すように、ΔGがエントロピー変化ΔSの項を含んでいるので、pKaはΔSに依存する。 ■ 種々の分子軌道法 [1]  求核剤とは、分子のなかの正電荷を帯びた原子(核)を求めて攻撃する反応剤である。軌道論からいえば、LUMOの広がりの大きい原子を攻撃しやすい反応剤である。したがって、エネルギーの高いHOMOをもち、そのHOMOができるだけ1原子に局在化した分子である。その条件を一番備えているのが、孤立したアニオン中心をもつ化学種である。そのn軌道は負電荷のために高いエネルギーをもち、アニオン中心に局在している。  AH・・・・・・(H2O)m ←→ [A-](H2O)n + [H3O+](H2O)x ------------------------------------------------------------------------------  被占軌道(Χ1)と空軌道(Χ2)との2軌道2電子相互作用を電荷移動相互作用(charge-transfer interaction: CT相互作用)またはドナー・アクセプター相互作用(DA相互作用: donor-acceptor interaction)とよぶ。このとき被占軌道(Χ1)は供与軌道(ドナー軌道: donor orbital)、空軌道(Χ2)は受容軌道(アクセプター軌道: acceptor orbital)とよばれる。電荷移動相互作用とよばれる理由は、相互作用の結果、被占軌道Χ1は空軌道Χ2を同位相で少し取り込むのでΧ1はΧ2に電子を一部供与したことになり、逆にΧ2はΧ1の電子の一部を受け入れたことになり、電子がΧ1からΧ2へ一部移動するからである。通常、この種の安定化相互作用を単にCT相互作用(CT interaction)、その機構をCT機構(CT mechanism)とよぶ。 ◇ 電子数と系の安定化エネルギー  安定化エネルギーは通常の共有結合と比べるとかなり弱い。強いものでも通常の共有結合の半分程度、π型錯体ではたかだか数kJ/mol程度の弱いものである。 3) アルキル基によるA-の安定化(酸性度の強化)  Kaの定義式をもとにAHの酸性度が水中で強くなる条件を考えてみよう。AHが酸として強いためには解離しやすくKaの値は大きくなければならないので、  n軌道のs性(混成): 25% (sp3) < 33% (sp2) < 50% (sp) (2005).  ・(σ*C-F > σ*C-Cl > σ*C-Br)(LUMOが低いと電子求引性) ------------------------------------------------------------------------------  HOMO(n)のエネルギー: HF < H2O < H3N  この反応剤は強い求核剤でもあり、カルボニル基などの求電子的なC原子とC-C結合を形成するので、有機分子の炭素骨格を構築するのに非常に有用である。また、強い塩基でもあり、カルボン酸、アルコール、アミンからプロトンを引き抜く。 ディールスアルダー反応 第9章--d電子系の電子構造 齋藤 太郎 1. d軌道の形と分裂 2. d電子軌道の理論的扱い 3. d電子の関係する現象と性質 4. x線回折による錯体の構造の決定 5. d電子のかかわる物質系の例 3. 2) イオン化エネルギーが小さい(HOMOが高い)ほど塩基性が強くなる。すなわち、塩基性の強さにはフロンティア軌道が重要な役割を演じている 1) SN1反応  共役塩基の安定性; R3C- < R2N- < RO- < F-  これらの傾向は外殻原子軌道のエネルギー準位の傾向に一致している。したがって、A-H結合の強さは、Aのフロンティア原子軌道のエネルギー準位が低いほど強い。 1) 酸の強さを決定する因子  水溶液中では、ΔGの式のエンタルピー変化ΔHは小さく(ほとんどゼロ)、pKaの値は、解離におけるエントロピー変化ΔSに大きく依存する。一般に、pKaは共役塩基(A-)の水和(溶媒和)によるエントロピー変化ΔSの影響を強く受けることが知られており、pKaの解釈には注意が必要である。A-が不安定なほど、A-の電荷が局在するほど溶媒和の水の束縛が強くなってエントロピーが減少し右への反応が不利になって弱酸となる。(省略。文献[1]の表を参照)ΔGのうち90%以上はΔSの変化に由来する(TΔSの値は22〜32 kJ/mol)。イオン化熱ΔHは非常に小さい(-0.2〜-2.9 kJ/mol)。すなわち、pKaの値が変化するのはエントロピーの効果であるという意外な結論が出てくる。エントロピー効果は溶媒和の効果であるから酸の強さとは必ずしも関係しない。それでも酸ほど溶媒和効果が大きくエントロピー的に解離平衡が不利になるからであるが、議論に危険が伴う。(文献[1]の表のpKaの値から言えば)ギ酸 < 酢酸 < 2,2-ジメチルプロピオン酸の順に増大して酸性度が減少するので、「アルキル基は電子供与性であり、サイズが大きくなると電子供与性が増大して酸の酸性度を弱める」という有機化学の”常識”が読み取れるが、気相における酸性度のデータを用いると、そのようなことは言えない。 【分子内反応の軌道論ルール】 上記1)は純粋な共有結合でΔEがゼロの場合、上記2)はその逆であり(ΔEが大きい)完全なイオン結合である。上記2)の場合、イオン結合エネルギー(安定化量)はΔEだけになる。しかし、実際には上記1)と2)の中間で表される場合が多い。たとえばC-C, C-N, C-O, C-Fの4rつの結合を例にとると、C-Cは純粋な共有結合だが、それ以外は電気陰性度の差があるために、この順にイオン性が増大すると考えられる。しかし、結合エネルギーもさほど変化しないうえ、C-F結合でイオン性が高くなっているとも思えない。フッ素を含む有機化合物であるフレオンは水に溶けずフッ素樹脂は堅牢で耐熱性が高く、撥水性の高い(表面張力が小さい)物質である。なぜだろうか?  還元剤は、相手に電子を与え(電子供与体)、自身は酸化される。有機化合物が還元されると、多くの場合C-H結合が増えるか、C-Z結合が減る。ZはC原子より軌道エネルギーの低い(電気陰性度の大きい)原子(通常はO, N, ハロゲンである)。  興味深いことに、結合に与る混成軌道のエネルギーは、上の電気陰性度の傾向とよく相関している。混成軌道のエネルギーが低くなると電気陰性度は大きくなる。結合性軌道はエネルギーの低い混成軌道が主成分になり、結合電子対は当該原子に引き寄せられる。エネルギーの低い混成軌道をもつ原子の電気陰性度は大きいことになる。  ① 酸と塩基の相互作用 ◇ フロンティア軌道準位との相関 5) 不安定化が起こるのは関与する電子数が4個である場合だけである  第2周期: CH3- > NH2- > HO- > F- (酸性度の順序: CH4 < NH3 < H2O < HF) ------------------------------------------------------------------------------ その他のシグマトロピー転位 ;������1�k"��0F9�2�@a�8m�:���Py|�\��ډcj[>8��X9%cg8�D�a�w�#CW F���r~ 6�wE4���,� � ����9 z4$p������c��jB{��O0A@��A�?A��6��쩰� ���z�q��+6���N۫�w�9Rh�Imy��s8F���'1�Na�o���������>�3Z|����_亓�*=ZE��O�sj�����v3m�7��|��ja�r����@%bE��t�GD^� Y�9��][���.�`a� と予想される。たとえば種々の配座異性体のうち、フロンティア軌道間エネルギー差が大きい配座異性体ほど安定になっているはずだる。 ◇ 官能基の電子効果と電子の非局在化機構 4) C6H5OH > CH3OH > H2O  電子がまったく軌道に入っていなければその系のエネルギーは変化しない マルコフニコフ則 プロピレンを作成し、構造最適化を行う。 ... C. Davies, H. M. L.; Loe, O.; Stafford, D. G. レトロ ディールス・アルダー反応 Retro Diels-Alder Reaction. ■ 官能基と酸・塩基の強度  ハロゲン化アルキルの反応性は、駆動力のσCH-σ*CX相互作用を数え上げれば容易に理解できる。つまり、σ*CBrと同時によく重なることのできるσCHは、第一級では一つ、第二級では二つ、第三級では三つである。 4) 誘電率の高い溶媒によく溶けてイオンに分かれる  この点ではSN2反応と同じであるが、一段階で協奏的に起こるのではなく、二段階の反応で反応中間体のカルボカチオンを経由して進む。 ◇ シモンズ-スミス反応剤 熱的 [2+2] 反応. 6員環の化合物を合成するとき、最初に考慮するべき合成反応があります。それがペリ環状反応です。ペリ環状反応の中でも、最も有名な反応がディールス・アルダー反応です。 有機化学反応では、ルイス酸とルイス塩基が反応に関与するのが … %���� ※ 酸は電子受容体であり、求電子剤のLUMOを下げる ◇ 酸と塩基の定義 C=C (134 pm), C≡C (120 pm)  上記の予想を裏付ける興味深い原理がアメリカのPearsonにより報告されている。「HOMO-LUMO間のエネルギー差が大きいほど分子は安定になる」という分子の熱力学的安定性に関する経験則である。理論的に完全に証明されているわけではなく例外もあるが、通常の分子の配座異性体間では、ほとんど例外なく成立することが経験的に知られている(構造が大きく異なる異性体の間では成立しない場合がある)。(省略)分子内の電子の非局在化は主にLUMOを介して起こるので、フロンティア軌道間エネルギー差ΔEが大きい分子では電子の非局在化が起こりにくい。すなわち、励起状態になりにくく、反応性も減少し速度論的にも安定ということになる。最大ハードネスの原理は分子の熱力学的安定性だけでなく化学反応性にも関係している。  酸・塩基強度の定量評価は種々の官能基の性質を考えるための基本情報である。1970年以前は主に水溶液中での実測値が用いられたが、1980年代以降は気相における酸・塩基強度が正確に測定できるようになり、官能基の電子効果が水の溶媒効果がない条件(溶媒和によるエントロピー効果のない条件)で議論できるようになった。  ビニル基よりフェニル基のHOMOのエネルギーは高いから電子供与性が強い。ビニル基のπにはp軌道由来の面以外に節面はないが、フェニル基のHOMOには一つ余分に分子面に垂直な節面がある。節面が増えるごとに軌道エネルギーは高くなるので、フェニル基のHOMOのエネルギーはより高く、電子供与性が強くなる。  上の図で示したプロセスのエネルギー変化を下の図に示す。, 2個の軌道が遠くに離れている場合の相互作用系の全エネルギーE0 = a1 + a1である。軌道が接近してくると安定化する軌道は徐々に安定化し、系全体も安定化するが、核間反発があるので、ある距離(re)で安定化は極小値(Ee)に落ち着く。それ以上接近すると急激に核間クーロン反発が大きくなり接近できなくなる。量子力学的には接近しようとする力と核間反発による斥力との間で振動現象が起こり、零点エネルギー(hν/2)と呼ばれる振動状態が生まれ、系のエネルギーはこれ以下には下がらない。この零点エネルギーがあるので実験的に観測される結合解離エネルギー(De)はこの分だけ差し引かねばならない。より正確な結合解離エネルギーは ◇ 求核剤 6) 共役塩基の塩基性の順序は酸強度の順序と逆になる。弱酸の共役塩基ほど塩基性が強い。塩基性の順序は次のようになる。 (省略)酸強度の支配因子としては、具体的には、次の三つの因子が重要であると考えられている。 Kurt Alder (1902~1958) クルト・アルダー. ③ 共役効果(電子の非局在化)  ジハロカルベン(CX2)によるジハロシクロプロパン環は収率よく得られるが、最も単純なカルベンでもあるメチレン(:CH2)による反応ではそうはうまくいかない。この反応にはシモンズ-スミス反応剤(ICH2ZnI)が有効である。 2) 反応の立体化学 %PDF-1.6  AH・・・・・・(H2O)m (※ 溶媒和した酸。溶媒和が弱い) �WX�����u5B���7`$E�6P�O�*s֘��&/i���. ディールス・アルダー反応について考えるとき、共役ジエンに対して反応するアルケン(上式ではエチレン)のことをジエノファイル(親ジエン体、英: dienophile 、ジエノフィルとも)と呼ぶ。.  化学結合を共有結合とイオン結合にあえて分けるなら軌道間エネルギー差ΔEの大小によって次のように分類できる。 (省略)  反応速度を決める段階(律速段階という)は、エネルギー障壁の高い前半の過程である。この反応では、求核剤はHOMOのエネルギーの低い、弱い電子供与体が望ましい。HOMOのエネルギーが高い、強い電子供与体ではSN2反応が起こる。  すなわち誘起効果とは、結合の極性の変化が原子の軌道エネルギーを静電的に上下させ、隣接結合に極性を順次誘起する効果である。原子の軌道エネルギーが高くなると結合電子が相手原子側に偏り、低くなれば結合電子を相手原子から引き付ける。おもにσ電子であらわになる。  たとえば、π2s+π2sの軌道相互作用機構で進行する反応は熱禁制で光許容(q = 2)、π2s+π2aの軌道相互作用機構で進行する反応は熱許容で光禁制となる(p = 1)。また、π2s+π2s+π2sでは熱許容・光禁制である(p = 3)。 1) 安定化が起こるためには電子が存在しなければならない �"� `�Y��s�%t���=Ѓ�~���m&>]3����\CV�,j�W�t�Z ��HOJ�)��bw����)b�w6���Q��쏡jI׷��7�� ------------------------------------------------------------------------------ Diels-Alder 反応.  π結合では隣接結合のπとπ*軌道のエネルギー差が小さく、π-π*相互作用が強くなって電子の非局在化の効果を覆い隠す。  各元素に固有の原子軌道関数(基底関数)を用いて分子積分をすべて精密に計算する。3-21G*, 6-31G(d), 6-311+G**基底など、それぞれの原子に特別に開発された高精度のガウス型基底(GTO)を用いる。安定構造、エネルギー準位など定量性に非常に優れており、精度高く実験データを再現できる。最先端の研究はこれらの基底関数を用いて行われる。電子相間(電子間の相互認識)を考慮するもの(MP2法など)と考慮しないもの(Hartree-Fock法: HF法)の2つの方法に分けられる。 福井のフロンティア軌道論により、実に多くの反応の選択性を説明できる。 求電子攻撃を受けやすい部位は homo の係数の大きなところ 求核攻撃を受けやすい部位は lumo 係数の大きなところ ブタジエンの br2 付加反応における、 1-位への付加による反応開始。 ◇ 酸化剤 ■ 混成軌道のエネルギーと電気陰性度の関係 [2] 反応機構. さて名前からだとよくわからないと思うので 超簡単にいってしまうと  (省略)AH分子について、結合距離に対してフロンティア軌道のエネルギー準位(HF/3-21G*で算出)をプロットすると、かなり良好な直線関係が見られる。この関係から次のことがわかる。 ◇ 結合距離の周期性 11章 分子の接近による遷移状態および水素結合の解析 熱許容付加環化反応.  軌道対称性保存則は、歴史的には、1928年以来のWindaus, Havingaらによるエルゴステロール(ergosterol)のビタミンD2への光変換における立体特異性の問題に由来している。(図は省略)エルゴステロール(ergosterol)に光を当てると開環反応が起こり、ビタミンD2(calcierol)に変換されることが1928年にWindausらにより発見されていた。1961年、Havingaらはこの問題を取り上げ、この変換反応の中間に開環反応生成物プレエルゴカルシフェロール(pre-ergocalciferol)とその閉環反応生成物ルミステロール(lumisterol)が関与していることを発見した。前者を加熱すると、水素移動(hydrogen shift)でカルシフェロール(calciferol)、閉環反応でピロカシフェロール(pyrocalciferol)、イソピロカシフェロール(iso-pyrocalciferol)の3つの異性体が生成した。さらに後者2つに光を照射すると、1,3-ヘキサジエン環が閉環し、4員環を含むピロカシフェロール異性体に変換される。  HOMOのエネルギーの高さが一つの重要な因子である  アニオンでない求核剤もあるが、一般に求核性は劣る。しかし、正電荷のためLUMOエネルギーの低いカチオンを攻撃するには十分である。 ディールス・アルダー反応 (—はんのう、 英: Diels–Alder reaction )とは、 共役ジエン に アルケン が 付加 して6員環構造を生じる 有機 化学反応 であり、 [4+2]環状付加 とも言われる。  Ka = [A-][H3O+] / ([AH][H2O]) = [A-][H3O+] / [AH] (省略) ・ 電子環状反応における回転選択性, 第一原理計算コードのセットアップから使用方法、結果の解釈の方法までを解説したホームページです.  pKa: 〜50 (R3CH) > 〜38 (R2NH) > 〜16 (ROH) > 3.2 (HF) 1) 関与する原子軌道のエネルギー差ΔEが大きい ◇ 電子環状反応  分子AとBの2ついの分子が相互作用して分子Cが生まれる場合、安定化を生み出す軌道相互作用は互いの被占軌道(主にHOMO)と空軌道(主にLUMO)の相互作用である。(省略) ・ 同じ周期の原子では、原子番号が大きくなるほど電気陰性度は高い /Type /Catalog 図1 フロンティア軌道理論 フロンティア軌道論は福井謙一博士らによって 1952 年に提案された反応理論である。化学反応はフロンティア軌道( homo, lumo)におもに支配される。福井博士はさらに1964 年に軌道の対称性が反応を支配することを発表した。 /Fcpdf3 36 0 R 3.2 . ② 脱離基効果 シグマトロピー転位(水素移動) Cope 転位.  一般にイオン結合にはMO法は適用できないとされている。しかし、イオン結合の本質を考えるため、ここではあえてMO法を適用してみよう。イオン結合あるいはイオン結合からなる化合物の特徴は次のようである。 ※ 同じ原子でも混成軌道のエネルギーはs軌道の割合が増えれば下がる(p軌道の割合が増えれば上がる)ことを表している (省略)  ベンゼンに代表される芳香族化合物の特徴的な反応は求電子置換反応である。 4) アルキル置換はHOMOを上昇させるため塩基性を強める  下方軌道どうしの交換反発相互作用による不安定化に、AとBのフロンティア軌道どうしの相互作用による安定化が勝って、安定な分子Cに生まれ変わるのである。  分子での電子分布が原子状態での単なる和からずれるのは、おもに原子によって電気陰性度が異なるからである。この電気陰性度とは、分子内の原子が電子を引き寄せる相対的な尺度である。電気陰性度は一般的に次のような傾向をもっている。 ディールス・アルダー反応(—はんのう、Diels-Alder reaction)とは、共役ジエンにアルケンが付加して6員環構造を生じる有機 化学反応である。 1928年にドイツの化学者、オットー・ディールス (Otto Diels) とクルト・アルダー (Kurt Alder) によって発見された(1950年にノーベル化学賞受賞)。  軌道半径に周期性があるように結合距離の周期性もある。(ラジカルも含めてすべてのA-H結合距離をプロットした図を見ると)非常にきれいな周期性が見られる。同じ周期では右に行くほど短くなる。同族比較では高周期になると長くなる。 2) 塩基の強さを決定する因子  ((c)は分子AとBの軌道にそれぞれ1の電子があり、それらの軌道が結合と反結合軌道を作り、結合軌道に電子が2個入る場合に該当する)